バスク精神のカケラは宿っていたか? 2006年5月28日(日)

バスク風料理のつもり

Canon EOS 10D+EF50mm(f1.8), f3.5, 1/80s(絞り優先)



 バスク料理、それはスペインでもありフランスでもあり、スペインでもなくフランスでもない、バスク地方特有の料理だ。今回のサンデー料理は、そのバスク料理に挑戦してみた。バスク精神のカケラでも宿りますようにと、西の方角を向いて祈りながら。
 フランスとスペインにまたがる約1万平方キロメートルの土地をバスク地方と呼ぶ。バスク人たちがどこからやって来たのか、誰も知らない。ヨーロッパが出来上がるずっと前から彼らはそこで暮らしていた。独自の言葉と文化を持ち、自らの民族に強い誇りを持っているという。それは料理にも独自性となって表れている。スペイン料理とは趣の異なった、でもフランス料理ともまた違った料理を作る。しかし、伝統に縛られることはなく、常に新しい料理に挑戦し続けるのもまたバスク精神だと言われている。
 さて、そんなバスク料理だけど、何を作ればいいかというとよく分からない。食べたことも見たことさえなく、その存在自体知ったのが先週のことなのだ。ネットでレシピを調べたところ、あまり変わった食材は使ってないようだから、その点では問題はなかった。でも、せっかく作るのだし、もしかしたら最初で最後になるかもしれないから、代表的なものを作りたかった。
 そこで見えてきたのが、食材というよりもソースと調味料だった。ソースには赤、緑、黒、白の4色があって、それぞれ赤ピーマン、パセリ、イカスミ、油とダシを乳化させたもので作るらしい。それがひとつ。もうひとつの調味料は、すべてにおいてたっぷりのオリーブオイル、ニンニク、トウガラシを使っている。これをピルピルソースという。ピルピルって! というツッコミは後回しにして、とりあえずソース方面から迫ってみることにした。

 まずは左手前から。これはたぶん、バスク風のオムレツということになるんだと思う。オリーブオイルで、ニンニク、タマネギを炒め、鶏肉、湯むきして粗みじんにしたトマト、赤ピーマンを加え、赤ワインで炒める。最後に、溶き卵に牛乳を混ぜたものを入れて、半熟状態まで焼く。
 ソースは、トマト、ケチャップ、赤ワインで作った赤ソース、バジル、パセリ、白ワイン、オリーブオイルで作った緑ソース、マヨネーズとカラシしょう油で作った白ソースの3種類を作ってかけた。残念ながらイカスミの黒ソースは今回入手できなかった。
 ところで、皿にソースで絵を描くにはどうしたらいいんだろう? スプーンなんかではきれいな細い線は作れない。何か特別な道具がいるんだろうか。それともシェフたちはスプーンできれいに描けるんだろうか。そのあたりも今後の課題のひとつとなった。

 右のものは、真アジとジャガイモの名前はよく分からない料理だ。一応バスク風のつもりなんだけど、どの程度バスク寄りになってるのかは見当がつかない。真アジなんてものが向こうにもあるのかどうか。
 まずはジャガイモを皮ごと茹でる。魚の開きは塩、コショウを振ってしばらく置いて、出てきた水分を拭き取ったあと、小麦粉をまぶす。それをたっぷりのオリーブオイルで揚げるように焼いて、表面をカリカリにする。いったん取り出して、そこにジャガイモをスライスしたものを入れて焼く。
 ソースは、オリーブオイルにトウガラシの刻み、みじん切りにしたニンニクを入れて、ぐつぐつなるまで熱して、そこに酢を投入して作る(本来はシェリー酢)。
 最後にジャガイモと魚を器にのせて、刻んだパセリ、ソースをかけて完成。

 奥のものは、なんとなくしょぼくれて見えてるけど、一応一品として独立して作ったものだ。これはちょっとバスクから離れてしまってるかもしれない。
 まずはイカを短冊切りにする。バスク地方は海に面した土地なので、イカもけっこう食べるそうだ。なので食材的には間違ってないと思う。
 フライパンにオリーブオイルとバターを温めて、そこにニンニク、タマネギを入れて炒める。その後、塩コショウしておいたイカを加え、白ワインを投入。トウガラシも加え、コンソメの素で少し味付けをして、最後にとろけるチーズを刻み入れて、イカに絡めれば出来上がり。たくさん食べられる人なら、イカ丸ごとでもいいかもしれない。

 バスク地方の人たちはみんな食通で味にうるさいという。果たして私の作ったバスク風料理を認めてくれるかどうか。こんなもんバスクじゃねぇ、とバスク語で言われたとしても、私としては言葉がさっぱり分からないので愛想笑いで誤魔化すしかない。オラ! アミーゴ! とかじゃ許してもらえないだろう。
 日本人の舌でいえば、これは日本人にもとても好まれる味付けの方向性だと思う。特別変わったものを使ってないということもあるけど、オリーブオイル、ニンニク、トウガラシの組み合わせは、ありそうでなかった美味しさだ。フランス料理でピリ辛というイメージはまったくないので、けっこう新鮮でもある。辛いものが得意な人は、トウガラシを多めにするといいだろう。赤ピーマンは苦くなくて、いい風味付けになることも分かった。
 総合自己評価としては、バスク度70点、美味しさ80点といったところだろうか。いや、85点でもいいかもしれない。美味しかった。
 バスク料理はなんだかとても気に入った。美味しいし作るのも面白い。またぜひ作ってみよう。今度こそ、皿にソースでバスク精神がほとばしるような絵を描きたい、ピカソのゲルニカみたいに。
 
Comment
 
 
2006.05.29 Mon 10:28 kuroneko  #-
いやいや・・・毎週お料理・・・偉すぎる・・・。
しかも男の人なのにね(ってまだ、引きずっている私)
バスク度70点といったらナカナカの高得点じゃないですか!
見てるとお腹がすいてきた・・・グゥ〜〜〜〜☆
  [URL][Edit]
2006.05.29 Mon 20:27 magnolia  #AYRMQa7Y
オオタさん

フランスで飯屋をやってる友人に言わせると、プロヴァンス風にはオリーブオイルとハーブ、ノルマンディ風には塩のように、日本で言うなら味噌風味醤油風味のような
違いだけだと言っとりました。で、帰国するたびに地方で取れた塩をくれるのですが
その塩を使い分けるだけであら不思議
「茸と子羊のノルマンディ風グリル」になります。
オオタさんの想像性と器用さに色んな調味料が加わるだけで、国際色豊かな一品ができそうですね。いつかご相伴に預かりたいものです。
私も一度タイ風オムレツに挑戦しましたが
「冷凍みかんが溶けたものを新聞紙に来るんで窓から捨ててみました風オムレツ」
になってしまい、自分でも食べた事の無い凝った物は止めようと心に誓いました。
今は食べた事のある沖縄料理に凝って、何にでもコーレーグースをかけて食べてます。んっまい!ですよ。
  [URL][Edit]
2006.05.30 Tue 03:06 オオタ  #dcJU4M0Q
★kuronekoさん

 こんにちは。
 今日からサンデー料理は男の料理に見えてきましたか?(笑)
 料理をするということに関しては、男の方がむしろ向いてるのかもしれないですね。図画工作やプラモデル作りの延長のような感じで。レストランのシェフも圧倒的に男が多いし。

 バスク度に関しては、70点は甘すぎたかもしれない(笑)。
 何しろ見たことも聞いたこともないものを想像で作ってるだけですからね。(^^;
 ネットで調べたっていっても、表面をなでてるだけだし。
 ただ、バスク料理は面白いってことを知ったんで、今後もまた勉強して作っていこうと思ってます。
 kuronekoさんも、何か作ったらぜひブログで紹介してくださいね(笑)。
男の料理に見えましたか?  [URL][Edit]
2006.05.30 Tue 03:13 オオタ  #dcJU4M0Q
★magnoliaさん

 こんにちは。
 考えてみたら私、バスク料理以前にフランス料理もスペイン料理も、ほとんど食べたことないんでした(笑)。
 フランス料理店なんて、2回か3回しか行ったことないし、スペイン料理店なんて見たこともないです。(^^;
 それなのにバスク料理とは、ちょっとおこがましかったかも。はは。

 料理の味だけじゃなく、方向性とか地域性も調味料やソースで決まるってホントですね。それがだいぶ分かってきました。
 油にしても、オリーブオイルならヨーロッパの味になるし、サラダ油なら和食、ごま油なら中華って感じですもんね。
 ハーブなんかもいろいろ使い分けることができたら面白そうですね。全部揃えてたら、すごく高い料理になってしまうけど。(^^;
 塩でもそんなに味が変わるもんですか。ふむふむ、それは今後の課題ですね。できたら使い分けてみたい。なんなら海水から乾かしてとってみてもいいかもしれない。ダメ?

 magnoliaさん、沖縄料理作ってるんですか。いいですねー。
 私も少し前一度作ってみようと思ったんだけど、なんか聞いたこともないような食材や調味料がいっぱい出てきて断念してしまいました(笑)。
 そもそも沖縄料理も食べたことないから、どんなか分からないし。
 まず、ゴーヤの高い壁にはばまれそうです。(>_<)
考えてみると食べたことないものだらけ  [URL][Edit]






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