 PENTAX K100D+TAMRON 28-200mm XR(f3.5-5.6), f9 1/500s(絞り優先)
この前初めて羽田空港へ行ってきた。旅行のためではない。人を出迎えるためでも、誰かを見送るためでもなく、観光に。 これはけっこう恥ずかしい告白かもしれない。六本木ヒルズへ行ってきたとか、浅草寺へ行ったとかよりも更に度の強いお上りさん度を示す行為だから。地方出身者でも東京に住んでいる人なら、照れくさくて観光で羽田空港へは行けないかもしれない。ヒコーキ野郎は別として。これもお上りさんの特権というものか。私なんか、ちっとも恥ずかしくないもんね。羽田のターミナルで喜んで写真を撮ってるのが私たちだけだったときは、ちょっとまずいかなとは思ったけれど。 展望デッキまで登ってしまえば大丈夫。飛行機見学のお仲間がたくさんいるから、もう恥ずかしがることはない。思う存分飛行機を撮りまくればいいのさ。ここには羽田空港に観光で来ている人間を笑う者はいない。 今日は羽田空港前編ということで、飛行機編をお送りしたい。飛行機には何の思い入れも知識もない私だけど、飛行機撮影は思いがけず楽しいものだった。時間帯が夕方から夜にかけてということもあって、なかなかいい雰囲気でもあった。
 まずは第一ターミナルの方から。展望デッキは無料で登ることができて、飛行機見学者のための椅子なども用意されている。なかなか気が利いている、、飛行場ってやっぱり一種の観光地でもあるのだなと少し安心する。飛行場側も見学者をあらかじめ想定してるということだから。 この日は夏休みの日曜日ということもあって、カップルや家族連れなどで賑わいを見せていた。一眼で写真を撮っている人もいたけど、それは少数派だった。本格的な写真撮りは日中ということか。
 撮影は障害物が多くてけっこう苦しいものがある。安全対策のためのネットも、写真という点では邪魔以外の何ものでもない。ネットには撮影用と思われる穴が開けられているのだけど、その穴はレンズを入れると左右に振れないくらい小さい。バズーカ砲なら入らない。直径10センチ四方くらいだったろうか。どこまで穴を空けると危険なのかは分からないけど、せめて15センチ四方は必要だ。下のコンクリートの部分に乗って撮れる上のところにも穴を空けておいて欲しかった。 レンズは単焦点では自由度が低すぎて飛行場では扱いづらい。デジでも300mmくらいの望遠ズームがよさそうだ。400mmクラスのレンズになると穴に入らないおそれがある。キヤノンの白レンズもここでは宝の持ち腐れになりそうだ。
 飛行場での撮影で一番楽しいは、やはり離陸のときだろう。ふわっと浮いた瞬間を捉えられると嬉しくなる。けど、穴からののぞき見撮影なので、必要以上に難易度が上がってしまうのがもどかしい。自分の好きな位置で狙えないし、機体の種類や操縦士のクセによって離陸ポイントがかなりずれるから、あらかじめ構えた場所で浮かび上がるとは限らない。 このときはわりとひんぱんに離陸してくれて何度かチャンスがあったけど、途中からピタリと飛ばなくなってしまった。どの滑走路を使うかとか、時間割はどうなのかなど、飛行機や飛行場に関する知識が全くないので、事情が掴めなかった。風向きによっても使う滑走路や角度が変わるのだとか。 それでも、うまくいったりいなかったりするギャンブル的な楽しさもあって、ツレと二人ではしゃぎながら写真を撮っていた私たちは、どこからどう見てもお上りさんだったに違いない。途中からは人目も気にせず夢中になって撮っていた。
 これはいいタイミングで撮れた。できればもっと前方から飛び立つところを撮りたかったところだけど、そんなにこちらの都合よくはいかない。もっと前の方にいくと、今度は建物の手前部分の出っ張りが障害物になってうまく撮れないのだ。 この位置からはちょうど富士山が見える方角のはずだ。冬の晴れた日は富士山をバックに離陸する飛行機の写真が撮れるんじゃないだろうか。真冬はしかし、吹きさらしのこの場所はさぞかし寒かろう。 羽田空港に出入りする飛行機撮影スポットは空港だけじゃない。周辺の浮島公園、京浜島つばさ公園、城南島海浜公園などでも撮れるそうだ。距離は遠くなっても障害物がなければ撮影にはよさそうだ。気合いの入った飛行機好きはそれぞれお気に入りのスポットを持っているのだろう。
 向こうに見えているのが新しくできた第2ターミナルだ。こっちの方が見てる限り、激しく発着陸を繰り返していた。ANA、ANDO、SNAなどが入っている(第1ターミナルはJALやJTAなど)。 どっちがどうなのか、初めて訪れたのでよく分かってないまま、今度は第2の方へ行ってみることにした。歩いていくのは距離があるから大変で、電車で行くのも面倒だ。地下にある動く歩道という手もあったのだけど、私たちはターミナル前から出ている無料巡回バスを利用した。頻繁に出てるし、飛行機を利用しない観光客も区別せずに乗せてくれるので、遠慮せず乗ってかまわない。
 最後にもう一度挑戦して、なんとか狙ったシーンを撮ることができた。ちょっとズームしすぎて、ぎりぎりしっぽが切れたのは残念。 この角度なら、もっとアップにして、後ろを通る東京モノレールと絡めて撮ると面白い写真になりそうだ。その両者がちょうどいい位置で出会う瞬間を捉えるためには相当粘らないといけないだろうけど。
 第2ターミナルに移動し終えたときは、すっかり日も暮れていた。夜の飛行機撮影は、はっきり言って無理だ。50mmレンズに交換して、絞り開放f1.4でISOを800くらいにしても、この暗さではシャッタースピードが稼げない。機体を止めて写すのは不可能だろう。流し撮りするにしても1/20秒程度では現実的じゃないと思う。ツワモノなら可能なのだろうか。いずれにしても、飛行機の離陸速度はけっこう速い。 第2ターミナルの展望デッキも、撮影事情は第1とさほど変わらない。しっかり金網が張られているし、穴の大きさも位置も同じだ。滑走路までの距離はこちらの方が少し近いかもしれない。手前の障害物も似たようなものか。一つこちらの特徴としては、ガラス張りの室内から眺められるというのがある。暑さ寒さを避けつつ見物するにはいい。 方角は東京の臨海地域で、遠くにはお台場、葛西臨海公園、ディズニーランドがある。この日は打ち上げ花火が小さく見えた。あれはディズニーのものだっただろうか。 オープンテラスのようなものあり、空港デートにはこちらの方が向いている。飛行機にまったく興味がない彼女でも、夜の空港というのはなかなかロマンチックだから、おすすめできる。
 ANAのピカチュウバージョンがあった。おお、これは撮らねば。機体の知識がないので、目に付くものといえば広告ものやキャラものしかない。通の人なら、あれは747で、こっちが777、あそこには767があるぜ、なんていう楽しみ方ができるのだろう。私にはジャンボとエアバスの区別さえつかない。見分けることができるのは、プロペラ機とそうじゃない飛行機くらいのものだ。電車もそうだけど、世の中には飛行機に異常に詳しい人たちがたくさんいる。好きこそものの上手なれの言葉通り、自分が好きなものは勉強するつもりがなくても知識が身につくものだ。私も乗り物はどれも嫌いじゃないけど、そういう方向には気持ちが向かわなかった。車についても、学生時代の走り屋カーの時代で知識が止まっている。
飛行場は面白い。想像してたよりも5倍は楽しかった。飛行機撮影は難しくもあり挑戦のしがいがあって燃えるし、ターミナルの中は一大ショッピングモールのようになっていて買い物や食事も楽しめる。空港という場所がある意味では非日常的な場所で、訪れる人たちの浮き立った気持ちが空港内に満ちていて、それが心地いいのかもしれない。高揚感が伝染する。 成田は遠いけど、羽田なら東京都内で交通の便もいいから、東京観光のコースに組み入れるのは充分可能だ。お上りさんが観光気分で行くのも場違いではない。私が身をもって証明した。断言してもいい、羽田空港は観光地だと。 次回はお上りさんのための羽田空港の歩き方を紹介しようと思う。ビッグバード・ターミナル編につづく。
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