現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
在庫一掃セール松平郷編最終回は春の始まりの終わりの花写真
2008年03月31日 (月) | 編集 |
松平郷の花-1

PENTAX K100D+smc Takumar 50mm f1.4 / 135mm f2.5 / 28mm f3.5 / 200mm f3.5 他



 在庫一掃セールは続く。今日は松平郷の花編だ。
 3月の終わりというのは、松平郷ではやや中途半端な時期になる。桜には早く、梅には遅い。早春の花も一段落している小休止のようなときだから。
 それでも、なんだかんだでちょこちょこ花は咲いている。ここは歴史の郷というだけでなく、花の里でもある。住んでいれば、季節の花がきちんと咲いてくるのを見ることができるのだろう。生活の隣に、細やかな季節の変化がある。

 上の写真はショウジョウバカマだ。今では見慣れてしまって、なんだショウジョウバカマかと素通りするくらいだけど、何年か前まではその存在さえ知らなかった。最初に見たのは3年前の明治村だった。カタクリ自生地という案内板に誘われて山の方に入っていくと、この花がたくさん咲いていた。てっきりこれがカタクリだと思い込んで、大喜びで撮って帰って調べてみると、カタクリでもなんでもないことが分かったずいぶんがっかりしたのだった。それで印象として強く残る花となった。
 ショウジョウバカマのショウジョウは、酒好きでいつも赤い顔をしているという中国の伝説の生き物「猩猩」から来ている。ハカマは、花ではなく葉の形を袴にたとえたものだ。
 わりとあちこちで見られる花ではあるけど、街の公園や道ばたに咲いているものではないから、知らない人も多いと思う。どこに行けばすぐに見られますかと訊かれると、そういえば近くにはないなと気づく。海上の森あたりまで行けばいくらでも咲いているけど。

松平郷の花-2

 アセビといえば一般的には白色だけど、こういうピンクのもある。
 一応園芸種ということになるのだろうか。アケボノアセビというのかもしれない。
 食べれば馬も酔っぱらうことから馬酔木。おなかを空かせた奈良公園の鹿さえ食べないというから、その毒性はかなり強烈なのだろう。
 古くから日本に自生していた木で、万葉集にも詠まれている。

松平郷の花-3

 たぶん、ヒュウガミズキでいいと思う。よく似たトサミズキは、雄しべの赤色がもっと目立つはずだから。
 にしても、トサミズキって、女子マラソンランナーみたいだ。野口みずきに土佐礼子の身長があったら、もっと速かっただろうか。
 それはともかくとして、ヒュウガミズキは、この時期に咲く黄色い花の代表選手の一つだ。マンサク、ロウバイ、サンシュユ、レンギョウなど、春先は黄色が多い。
 トサミズキが土佐に由来するのに対して、ヒュウガミズキは九州の日向が出所という説と、明智日向守光秀がおさめていた丹波地方に多くあったからという説がある。

松平郷の花-4

 来る花があれば行く花もある。春に先駆けて咲いたマンサクは、春半ばで風前の灯火となった。わずかに咲き残るだけだ。
 日本に自生するマンサクと、中国から来たシナマンサクはよく似ている。枯れ葉がついているのがシナマンサクで、ついてなければマンサクと思っておけばだいたい間違いない。シナマンサクの方が花が多くて華やかな印象もある。

松平郷の花-5

 これがちょっと分からなかった。今から咲いてくるつぼみのような、もう終わった花のような、どっちだろう。
 クロモジかなとも思ったけど、違うような気もする。ちょっと保留。分かったら追記しておこう。

松平郷の花-6

 天下茶屋というと、太宰治が「富士には月見草がよく似合う」と書いた山梨県御坂峠を思い浮かべるけど、松平郷にもある。全国いろんなところにあるだろう。
 それほど風流な演出がなされているわけではなく、茶店風の喫茶店のようなものだ。司馬遼太郎ならこんなものは必要ないと言うだろうけど、ちょっとお茶を飲んだり休憩したりするにはいい。一人ではちょっと入りづらい。
 店の前では桜が咲いていた。ソメイヨシノのような違うような。

松平郷の花-7

 なんだか幼稚園生が描いたような黄水仙で、ちょっとおかしかった。満面の笑みって感じだ。
 水仙もいろいろ種類があって、世界的な園芸品種でもある。古くから日本にある白い水仙も、もともと中国から渡ってきたものだといわれている。ラッパスイセンやクチベニスイセンなんてのもあり、咲き方も、ラッパ咲き、カップ咲き、八重咲きなどの名前がつけられている。

松平郷の花-8

 菜の花が畑の一角で咲いていて、西日を受けて黄色く輝いていた。これもまた、古くからの里の風景だ。与謝野蕪村の「菜の花や 月は東に 日は西に」も、大げさな菜の花畑ではなく、こんな菜の花を見て詠んだんじゃないだろうか。
 菜の花という花はなくて、アブラナが正式名だというのは前に書いた覚えがある。油を採る目的ではなく花を咲かせるために植えるのはナバナという。まあでも、セイヨウアブラナも全部ひっくるめて菜の花でいいじゃないかとも思う。赤トンボなんてのはいなくても、赤いトンボは赤トンボでいいし、マガモカラーのアヒルもカモでいい。

松平郷の花-9

 ネコヤナギかな、と短絡的に決めつけるのは早い。バッコヤナギ(ヤマネコヤナギ)かもしれないし、別のものかもしれない。さて、どうだろう。柳の仲間であることは間違いないと思うんだけど。

 名古屋はそろそろ桜の満開が近づいた。今日あたりの松平郷はどうなってるだろう。高月院前のしだれ桜がようやく五分咲きというから、まだ先だろうか。次の日曜は確か春祭りのはずだ。桜はその頃かもしれない。
 そうこうしてるとヒトリシズカも咲いてきて、ミズバショウも見頃になる。花盛りはもうすぐだ。
 私が次に松平郷へ行けるのは、早くても秋くらいだろう。
 明日からは4月で、花はさらに加速度を増し、生き物が増え、気持ちも慌ただしくなる。まずは桜を自分の中できっちり完結させたい。そのあとも追いかけるものがたくさんあるから、ぼんやりはしてられない。流されずに追いかければ、日々の中にも必ず、出会いと発見がある。


この記事に対するコメント
はじめまして
はじめまして。私は松平郷の近くに住む者です。
冬の松平郷はとても寂しい場所ですが、これからの時期は本当に花好きにはたまらないですよ。塀沿いに咲く桜v-252はとても綺麗だし、梅雨の時期はアジサイに菖蒲、そしてホタルが楽しめますよ。夏は蓮や睡蓮、秋はなんと言っても紅葉が綺麗です!!東照宮のお堀に真っ赤な紅葉が写し出されて鮮やかです。
次に来られるのは秋の事。他の季節も是非是非来て頂きたいですが、どうぞ綺麗な紅葉を楽しみに来られて下さいv-34

“天下茶屋から花だより”というサイトを検索されて、御覧になられてみて下さい。四季折々の松平郷が楽しめると思いますよ。

最後に、これからもブログ頑張ってくださいね(●^o^●)

【2008/04/03 17:00】 URL | REI #- [ 編集]

次は秋に
★REIさん

 はじめまして、こんにちは。

 松平郷の近くにお住まいですか。それはいいですね。
 うちからは遠くて。(^^;
 でも、あそこは大好きな場所で、ちょくちょく行ってるんです。
 すごく心が落ち着くんで。
 四季を通じていいところですよね。
 といっても、私が知ってるのは、3月と4月と8月だけ。他の季節もぜひ行かねば。
 紅葉はまだ見てないから、今年行けるといいなぁ。しっとりした里の秋もいいでしょうね。
 アジサイと菖蒲も畑がありますもんね。

 天下茶屋から花だよりは、3年くらい前からちょくちょく見てます。
 あれに刺激されて行こうって思うこともありますね。
 秋なんてまだまだと思ってると案外あっけなく来てしまいそうです。
 桜が終われば、初夏はもうすぐそこ。
 室町塀沿いにそろそろヒトリシズカが咲いてくる頃ですね。

【2008/04/04 03:47】 URL | オオタ #dcJU4M0Q [ 編集]


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