 Canon EOS 10D+TAMRON 28-300mm XR(f3.5-6.3), f7.1, 1/800s(絞り優先)
みんなで空を見上げるフンボルトペンギンたち。映画『未知との遭遇』のペンギン版みたい。何かあるのかとつられて空を見たけど何も見えなかった。私には見えない何かがペンギンたちには見えていたのだろうか。右端のキミ、みんな見てるのはそっちじゃないですよ。ペンギンにも、少しピントのずれたのがいる。
ペンギンというと寒いところにいるというイメージが強いけど、実際はそうでもなく、写真のフンボルトペンギンは南アメリカのチリやペルーの海岸線で暮らしている。フンボルト海流が流れこむところにいるからフンボルトペンギン。分かりやすい。 彼らは日本の水族館でもっとも多く飼育されているペンギンだ。90ヶ所以上の施設に1,200羽もいる(ペンギンって羽って数えるとは知らなかった)。南知多ビーチランドでは、最初2組の夫婦だったものが、どんどん増えて今では39羽になったそうだ。ということは、写真に写ってるやつのほとんどがビーチランド生まれなんだろう。 こんなに日本にいるんだから野生にも余るほどいるのかと思うとそうではなく、全部で2万5,000羽ほどしかいないのだという。野生のものは、かなり危うい状況にあるらしい。 大きさは、体長約70センチ、体重5キロ弱と、ペンギンの中では中型の種類に属す。顔のピンク色が目印だ。 エサは主にアンチョビやカタクチイワシなどの小魚で、エビやカニなども食べる。 寿命は25年ほど。 野生のものがこれ以上減ってきたら、動物園や水族館にいるものを里帰りさせてあげないといけないようになるかもしれない。今は卵を持っていってあちらでふ化させるという試みがなされてるそうだ。
ペンギンが何種類いるかは意見が分かれているようだ。18種類という人もいれば17種類だという人もいて、いやいや16種類だろうと言い張る学者もいる。でも思ったより少ないんだ。もっとたくさんいるような気がしていた。大昔は他にもいたそうだけど。 南極にすんでいるのはその中でわずかに2種類。コウテイペンギンとアデリーペンギンだけだ。他の種類は南アメリカ、アフリカ南部、オーストラリア、ニュージーランド、南極周辺の島などで暮らしている。ガラパゴス諸島にもガラパゴスペンギンがいる。 ペンギンとはそもそも何かといえば、これは鳥だ。空を捨て海を選んだことで鳥としては退化し、体は海に適したつくりに変わっていった。体に付いてる手のようなものは、元々羽だったものが退化というか海用に進化したもので、フリッパーと呼ばれている。 和名は人鳥(じんちょう)。ペンギンの語源は、肥満を意味するラテン語の「pinguis」から来ている。かつてのスペインの船乗りたちはペンギンを見て、あいつらは太ってるから飛べない「penguigo(太っちょ)」だと言っていたものが、英語のペンギンになったんだとか。
 こちらは冷房付きの室内にいたジェンツーペンギン。廊下に立たされた生徒のように壁際でじっとして動かなかった。どうした、ジェンツー。 ジェンツー(Gentoo)は、異教徒を意味するポルトガル語「Gentio」から来ていて、頭の白い模様をターバンを巻いたインド人に見立てててそう呼ばれるようになったとか。和名はオンジュンペンギン。温順な性格から付いた別名らしい。 フォークランド諸島や南極の北の島々に分かれてコロニーを作っている。あまり人間が行かないところということもあって、つがいで30万組くらいいるのではないかと予測されている。細かく分けると、北方ジェンツーペンギンと南方ジェンツーペンギンに分かれるらしい。 体長は80センチ前後、体重は6〜8キロほどで、コウテイペンギン、キングペンギンに次いで3番目に大きい。 見た目これと言った特徴がないのだけど、ペンギンの中でもっとも早く泳ぐチャンピオンだったりする。最高速度時速36キロはべらぼうに速い。一般的なペンギンが時速10キロほどで、イアン・ソープでも時速7キロ出せないことを考えると、水の中での30キロオーバーがいかに速いか分かる。水深もその気になれば100メートルまで潜れるという。水族館などでは泳ぎたくても本気を出せないから残念な思いをしてることだろう。
 円陣を組んで何やら相談中のキングペンギンたち。何話してるの? と私がカメラを向けたら、素知らぬ顔で解散してしまった。まるで井戸端会議をしていた奥様たちが噂の的の登場でわざとらしい挨拶をして散らばっていくように。 コウテイペンギンに次ぐナンバー2の大きさで、別名オウサマペンギンとも呼ばれる。なんでキングなのに2番かというと、19世紀まではこれが一番大きなペンギンだと思われていたからだ。それが南極に行ってみたら、これより大きなペンギンがいて、それでそちらは皇帝の名を付けたて、キングはそのまま残したのだった。 これも南極近辺の島々に広く分布していて、南大西洋にいるものをヒガシキングペンギンといい、インド洋にいるのをニシキングペンギンと呼ぶ。 体長は90センチ前後、体重は30キロくらいと、見た感じも大きいなと感じる。 頭の左右のオレンジと、首の前の黄色が美しい。 全部で100万頭ほどいると言われている。
ペンギンは何故空ではなく海を選んだのだろう。その理由は、水泳が苦手な私が水泳部に入部する人の気持ちが分からないのと同じようによく分からない。元々体系的に空を飛ぶのが苦手で、かといって地上で生き残るには不器用すぎて、海しか生きる場所が残ってなかったのか。あるいは、空と同じ自由を彼らは海にも感じたのだろうか。 でも、海を選んだのは正しかったと言っていいだろう。これだけ長い年月、大勢の仲間と共に生き残ってきたのだから。 考えてみると、遺伝子の中に陸海空すべての記憶を持った生き物は、このペンギンくらいじゃないだろうか。大昔、どれくらい空を飛べたかは分からないけど、きっと鳥だった頃のかすかな記憶がどこかに残っているだろう。そうか、だから、ペンギンたちはときどき何もない空を見上げているんだね。
|